おいしさが伝わる表現レシピ 02「”味の違い”は自分の感想で伝えよう!」
飲食店さん・食品小売店さんなど、”おいしいもの屋さん”のための商品紹介アイデア。
~ おいしさが伝わる表現レシピ
02「”味の違い”は自分の感想で伝えよう!」
こんにちは。食の販促アドバイザー、山梨若菜です。
私は昔、お茶の専門店で少しだけ働いたことがありました。
お茶の世界はワインやコーヒーに似ていて、とにかく味の表現がとても難しいんです!
微妙な違いをお客さんにも説明しなきゃならない。
そのために、スタッフは一生懸命に試飲をして味を覚えていきます。
この試飲の時に、先輩からおもしろいアドバイスをいただいたのです。それは・・・
「一応パッケージには、どんな味か書いてあるけど、飲んでみて自分が感じた味のほうを優先していいからね。」
・・・ということでした。
例えばパッケージのほうには「甘くフルーティーな風味が…」などと書いてあったとします。
でも、自分で飲んでみたら、甘味やフルーティーさは感じられず、どちらかというと「お花みたいな香りがする」と感じた。
この場合、パッケージに沿った文句ではなく”私の感想”のほうを優先。
「私が飲んでみたところお花みたいな香りがしました」と表現していい。ということなのです。
そんなことをしたら、スタッフみんなが違う味を表現してしまってお客さんが混乱するんじゃないか、と思ってしまいます。
しかしこれが意外にもうまくいくんですよ。
来店されるお客さんのほとんどは専門知識があるわけではなく、ただ純粋に”お茶を楽しみたい”という気持ちで来られています。
たくさんのお茶の中から「どれを選ぼうかな~」「どれがおいしいのかな~」というのを楽しんでいる。
そこに私たちスタッフがサポートとしているわけです。
だから、実をいうと”正しい答え”はあまり求められていなかったりします。(;^_^
”正しい商品紹介”をしようと思ったら、パッケージにある言葉だけで十分。
それよりも「私はコレ飲んだことがありますが、一番おいしいと思ったお茶ですね~」とか
「スッキリした紅茶なんですが、飲んでみたら意外にクセがあっておもしろいんですよ!」とか
「このお茶はスタッフの中でも好みが分かれるみたいで・・・」など。
”お茶に興味があるもの同士”としての会話が盛り上がったほうが、お買い物を楽しんでもらえるのです。
けっきょくお客さんはその会話の中から、自分で好みのお茶を選んでいかれます。
私が思うに、この”買い物行動”も、後のおいしさのひとつなんじゃないかと。
あとで買ったお茶飲みながら、「スタッフさんとこんな話したよなぁ~」って思い返しながら飲んだりしますよね。
お客さんのほうでもスタッフとはまた違う味わいを感じているかもしれません。
目的としては”正しい味”を感じてもらう事ではなく、お茶を楽しんでもらうことなので、それでいいんです。
なのでスタッフ側も”正しい商品紹介”をする必要はない。
もちろん、使いかたが特殊な商品だったり、甘さや辛さが特徴的な食品など、注意点があるものは明確に言うべきですが、
味の違いについては、個人の感想をそのまま言ったほうがお互いに楽しく、良い関係が築けます。
商品知識はある程度必要ですが、私は”体験”したことの方が重要だと思います。
それはやっぱり、お客さんに伝えやすいから。
個人の感想はお客さんのほうでもキャッチしやすい、心に響きやすいのです。
---おわり。
「ことのは塾」山梨若菜
wakana@kotonoha-juku.co.jp
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