AIで『展示会の配布資料(複数ページのスライド)』をつくる。

「来月の展示会の配布資料、そろそろ作らなきゃ…」
「でも、日常業務やブースの設営準備で忙しくて…」
展示会の出展が決まると、営業やマーケティングの現場に重くのしかかるのが『展示会の資料』、商品アピール資料(複数ページのスライド資料)の作成ですよね。
パソコンの前で真っ白なGoogleスライド(複数ページの資料をつくるアプリ)を広げたまま「うーん、何を書けばいいんだ……」とフリーズしてしまう。そんな経験、ありませんか?(締め切りが迫ってくると焦るあの感覚、私も痛いほどよく分かります……汗)。
そんなとき、ボタン一つで、それっぽい資料が一瞬で自動生成されたらどれほど楽でしょうか。
今日はそんなお話です。
【ごめんなさい】
今日のお話は、GoogleのAI Geminiの“有料版”をお使いの方のみが使える機能を利用しています。
無料版のGeminiをお使いの方は、その機能が使えるようになるまでお待ちください m(_ _)m
■ とにかく楽をしたいときの「一発生成手順」
まずは、どうしても時間がない、まずはたたき台が欲しいというときのための手順です。
言葉だけだとイメージしづらいと思いますので、今回は架空の「業務用 レトルト トマトスープ」を例にして、実際の流れを追いかけてみましょう。
ステップ1:テキストAIで「たたき台」を作る
まずは、ChatGPTやGeminiなどのAIに、スライド資料の“構成”を作ってもらいます。
【プロンプト】
展示会ブースで来場者の目を引くための、商品アピール資料の構成案を考えています。 以下の商品名について、短時間で強みが伝わる構成(タイトル、ターゲット、抱える課題、解決策、商品の特徴、導入メリット)を、ページごとの内容構成にして出力してください。
商品名:「業務用 レトルト トマトスープ」
これを送信すると、AIから次のような「たたき台のテキスト」が数秒で返ってきます。まずコレが第一段階。
ポイントは「ページごとに分けて」という一言。
現時点(2026年7月)では、GoogleスライドのGeminiは有料版であってもまだ「1ページずつ」しか編集や生成をすることができません。
そのため、最初から「ページごとの構成」を作ってもらうことが大切になるのです。
こんな「内容案」が出てきます
先ほどの指示から出力されるのは、こんな感じの内容です。
【AIから出力される内容案の例】
1ページ目:(表紙)
来場者がブースの前を通った一瞬で、「自分に関係がある」と直感させるためのページです。
- キャッチコピー スープの湯気と一緒に立ち上る、あの完熟トマトの濃い香りを、パウチを開けた瞬間に。
- タイトル 驚くほどフレッシュ。一口で違いがわかる「完熟レトルトトマトスープ」のご提案
- ビジュアルイメージ 湯気がふわりと立ち上る、深い赤色のトマトスープ。
2ページ目:ターゲットと抱える課題
「まさに今の自社のことだ」と共感し、足を止めてもらうためのページです。マーケティング用語は使わず、現場のリアルな不快感や課題を切り取ります。
- 想定ターゲット 仕入れやメニュー開発に悩む飲食店オーナー・健康志向のカフェ店長
- 抱える課題 レトルトは仕込みが楽で便利だが、どれも「いかにもレトルト」という平坦な味で、お店でお客さまに自信を持って出すにはクオリティが足りない。
(※実際はこの後も続きます)
ちゃんと「ページごと」の内容案が出力されましたね。次はこれを実際にGoogleスライドへ入れ込みます。
■ Googleスライドへ落とし込む手順
AIが出してくれたテキストを、実際のGoogleスライドへ効率よく落とし込むための具体的なステップがこちらです。
ステップ1: AIが出力したテキストから、作りたいページのセクション(例えば「1ページ目:タイトル(表紙)」のキャッチコピーやタイトル部分)をコピーします。
ステップ2: Googleスライドを開き、画面右上にある「Geminiに相談」アイコン(キラキラのマーク)をクリックして、右側にサイドパネルを開きます。

ステップ3: サイドパネル of 入力欄に、以下のように指示(プロンプト)を書き、コピーしたテキストを貼り付けて送信します。
【GoogleスライドのGeminiに送る指示(プロンプト)】
この内容を基に、このスライドを作成して。
(※ここに先ほどAIに作ってもらった内容を貼り付けます)
1ページ目:タイトル(表紙)
来場者がブースの前を通った一瞬で、「自分に関係がある」と直感させるためのページです。
- キャッチコピー スープの湯気と一緒に立ち上る、あの完熟トマトの濃い香りを, パウチを開けた瞬間に。
- タイトル 驚くほどフレッシュ。一口で違いがわかる「完熟レトルトトマトスープ」のご提案
- ビジュアルイメージ 湯気がふわりと立ち上る、深い赤色のトマトスープ。
※ この作業を全ページ分、繰り返します。
■ 楽ちん生成に潜む「無難の罠」?
このAパターンを使えば、驚くほど簡単にプロっぽいスライド資料ができあがります!
…でも、ここでちょっとストップ…。
これをそのまま印刷したり画面に映して展示会に持ち込むのは、ちょっと危険です(^_^;)
なぜなら、AIが一発生成した内容って、「ネット上の一般的な情報に基づいたどこかで見たことのある話」に過ぎないからなんです。
今回のスープの例で言えば、「驚くほどフレッシュ!」や「濃厚完熟!」といったキャッチコピーは、競合他社も使っているありふれた言葉ですよね。
自社の商品が持つ独自のこだわりや、開発の苦労、他社に負けない強みは一切反映されていません。
このやり方に慣れてしまうと、現場の社員は「なぜこの商品がお客さまに選ばれているのか」を深く考える思考を放棄するようになってしまうかも知れません…。
いざ展示会でお客さんと話ができるチャンスがあったとしても、そんな風な“よくある話”しかできなかった場合、お客さんの心を動かすことはできません…。
■ 【プルスウルトラ】ひと手間かける、“より良い資料”を作るプロンプト!
そこで試していただきたいのが、AIにすぐ“答え”を出させるのではなく、AIを「有能なインタビュアー」として使い、本当の強みを引き出すアプローチです。
進め方はとてもシンプル。まずはAIに、こちらの頭を整理してもらうための「問いかけ」をお願いします。
【対話型のプロンプト】
展示会で商品アピール資料を作りたいのですが、自社の本当の強みをどう表現すべきか、まだ頭の中がまとまっていません。
表面的なスペックではなく、私たちのこだわりや独自の強みを引き出すために、まずは私に具体的な質問を3つ投げかけてください。
私が答えやすいように、わかりやすい言葉で質問をおねがいします。
回答した後に構成案を作ってもらいたいので、まずは質問だけをお願いします。
商品名:業務用 レトルトトマトスープ
このプロンプトを投げると、AIから次のような質問が返ってきます。
質問1: このスープを作るきっかけになった、飲食店の方などの「一番リアルな困りごと」は何でしたか?他のトマト缶やレトルトスープに対して、どんな不満を持っていたか教えてください。
質問2: 他社のスープと比べられたときに、プロの料理人や店長さんが、最終的に「よし、これにしよう!」と選んでくれた理由や、そのときの嬉しかったエピソードを教えてください。
質問3: ざわざわした展示会の会場で、通りすがりの人に「これだけは絶対に覚えて帰ってほしい!」という、このスープの一番の自慢ポイントは何ですか?
これらの質問に対して、「ウチのスープはこんなにすごいんだぜ!」と自慢しちゃって下さい (≧∇≦)/
「実は、イタリアンのシェフが『レトルトは酸味がトゲトゲして使い物にならない』と怒っていた。だからうちは、国産完熟トマトの糖度にこだわって、あえて低温でじっくり3時間煮込んで酸味をまろやかにしたんだよね。煮込み時間を伝えたらみんな驚いて買ってくれた」
といった感じの生々しいエピソード、大歓迎。
綺麗にまとめる必要はまったくありませんので、“音声入力”なんかを使う方も多いです (*^^*)
■ さらに「あなたらしさ」を加速させる追加プロンプト
あなたの回答を送ったら、続けて以下のプロンプトを投げかけてみて下さい。
【プロンプト】
回答しました。
これらを基に、展示会の来場者が思わず足を止める「各スライドの構成(ページごとの内容案)」と、スライド内に配置すべき「具体的な文言・キャッチコピー」を詳細に肉付けして出力してください。
特に、通りすがりの人の視線を奪うインパクトのある見出しを重視してください。
これにより、自社のリアルな開発体験や顧客エピソードが組み込まれた、圧倒的に生々しく説得力のあるスライド用テキストが生成されます。
できあがったテキストは、先ほどの「ステップ2」と同様の手順で、GoogleスライドのGeminiに「この内容を基に、このスライドを作成して」と、1ページずつ丁寧に流し込んでいきます。
これで、あなたの“自慢のポイント”もちゃんと取り入れたオリジナルの資料が完成します!
■ AI”だけ”につくらせないのが「最新のテクニック」
『配布資料をつくる。』の作業で、一番、タイヘンなのは最初の「AIからの質問」に答えるところではないでしょうか(*^^*)
でもココが一番大切。
「”ウチの商品ならでは”の特長って何だろう?」と、頭をひねって考える作業は本当にタイヘンです。
でも、その作業をあえてやることで、商品への理解が深まって「あなた自身」が大きく成長します。
それだけでなく、あなたの商品も他社と同じような商品の中に埋もれず、「これはタダの◯◯ではありません!」と自信を持って言えるものに生まれ変わるんです(≧∇≦)/
人間がアタマを一切使わず、ボタン一つで「自動的に」AIに作らせた資料って、なぜかお客さんには響きません。 どこか冷めていたり、無難すぎて心が通り過ぎていってしまったりするんですよね…(^_^;)
AIに全部考えさせて、出てきた回答をただコピペするだけで終わらせてしまうと、それこそ「AIに取って代わられる人」になってしまいます。
ただ、だからといって「全部人間が手作業でやるべき!」という根性論を言いたいわけではありません(笑)。
AIが圧倒的に得意なところ(たとえば、スライドのデザインを整えたり、レイアウトをきれいにするビジュアルの部分)は、どんどんAIに任せるのが得策です。デザインの微調整や配置は、AIという頼もしいアシスタントに甘えてしまいましょう。
せっかくAIがいつでも使えるようになった、素晴らしい時代です。お互いの得意なところをうまく出し合って、賢く一緒に働いていきましょう!


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