仕組み 02:“ざっくりゴール”がオススメなのはなぜ??

前回

・     ChatGPTは“言葉の島”を渡って、文章をつくる船

・     あなたはその船の船長。どの方角に行くかを決める人

・     ChatGPTは、その司令プロンプト)に沿って船を進めていく

というお話をさせていただきました。

そして、

☆     詳しく条件などを書いた“長文プロンプト”より、短い言葉で描いた“ざっくりプロンプト”がオススメ

とお話しいたしました。

なぜ“ざっくりプロンプト”の方をオススメするのか? それを今日は解説していきますね。

例えば、上司に「今度のイベントのチラシを作って」とお願いされたとしましょう。
良いチラシをつくるためのプロンプトとして、ネットなどにはこのような文例が載っています。

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あなたは経験豊富なチラシのデザイナーです。

新製品発表会のチラシを作るために、以下の要素を考慮してチラシの構成やデザインを提案してください。

・新製品の特徴・強み:
・ターゲット層:
・チラシに含めたい情報:
・デザインのトーン:
・キャッチコピーの雰囲気:

これらの要件を踏まえ、チラシのレイアウト案・キャッチコピー・本文例を提示してください。

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最初から「詳細な情報や条件」が書かれていますね。チラシづくりの経験が豊富な方なら、このあたりの情報はスラスラと挙げていけるかも知れません。

でも…「ターゲット層」や「デザインのトーン」なんて、どのように答えたら良いのか?なかなか思い浮かばない人も多いのではないでしょうか?(^_^;)

現実的には、こんなに具体的で詳細な条件を書ける人は少ないと思われます。

最もよろしくないのは、ココでChatGPTに聞くのを諦めてしまうこと。

詳しいプロンプトが書けないからといって、ChatGPTに質問すること自体をやめてしまうことほどもったいないことはありません!(≧∇≦)/
何を伝えたら良いのかわからなくても、とにかく船を出航させてしまいましょう!

実際、うまくChatGPTを使いこなしている人は、もっとざっくりとしたプロンプトから始めています。例えば、こんな感じ。

『新製品発表会のチラシを作りたいんだけど、どんなのがいい?』

オススメなのは、こんな風にChatGPTを“相談相手”にすること。
いきなり“正解の回答”を求めるのではなく、「ねぇ、どんなチラシがいいかな?」とChatGPTのオススメを聞きながら進めていくのです。

“相談相手”となったChatGPTは、あなたに“質問”をしてくるかも知れません。

『その新製品はどのようなモノですか?』

『どのような人が使うモノですか?』

もしくは、ChatGPTもざっくりとした回答を出してくれるかも知れません。

『キャッチコピー、製品の特長、日時や場所など、会場に来たくなるような仕掛けなどのコンテンツを載せましょう』

ざっくりとした質問(プロンプト)ですので、出てくる回答もざっくりとしたもんです (^_^;) ですので100点満点にはほど遠く、あなたが満足する回答ではないかも知れません。
でも、そこが“ゴール”ではないので、そこは仕方ないといったん飲み込みましょう。

船長の仕事はココからにどんな方角に船を進めたら良いのかを指示していくのです。

『キャッチコピーってどんなのが良いの?』

『会場に来たくなるような仕掛けって何?』

すると、あなたの言葉を受けて船はまたその方角に向かって進んでいきます。
このような“対話”を重ねることで、ChatGPTはだんだんと「あなたが期待する回答」に近づいていくんですね。

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私が個人的に好んで使う“最初のプロンプト”には、次のようなものもあります。

『新製品発表会のチラシをつくりたいです。どのようなプロンプトにしたらいいでしょうか?』

--- プロンプトの具体例が回答として出てくるので、そのまま使うことができてラクチン。

『新製品発表会のチラシは、どんな手順で作ったらいい?』

--- 自分があまり知らないコトをイチから質問したい場合、「手順」を聞くようにすると詳しく教えてくれるので安心。
この指示をすると、ChatGPT側もその手順を“おさらい”することになります。それに沿って、一つひとつ丁寧に考えて進めてくれるのでオススメ。

「どんな方向に話を進めていくか?」がまだ定かではない時にオススメの“ざっくりプロンプト”です。

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“ざっくりプロンプト”の良いところは、すぐに航路を変えられること。

船が進んでいる方向が違っているな、と感じたら引き返したり、別の方向を指示すれば良いのです。

(こりゃ自分の期待してる内容と違っているな」

(ChatGPTは、◯◯を誤解しているな)

と思ったら、すぐに方向修正が出来る…それが“ざっくりプロンプト”の良いところ。

長文プロンプトでは、説得力のある「もっともらしい回答」がズラズラっと出てきてしまうので、「……なんか、こんな感じで良いのかもな…」と、自分の考えを押し殺してしまうことも…(^_^;)

もしくは、何となくしっくりこないので、結局、イチから自分で考えることになったりして、二度手間になってしまう経験をした方も少なくないのでは?

“ざっくりプロンプト”なら、どこからしっくりこないのか?が比較的、わかりやすいので方向修正がしやすいのです。

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“ざっくりプロンプト”の利点はもう一つ。

ここで最初の“詳しいプロンプト”を思い出して下さい。

「新製品の特徴」や「ターゲット層」など、『コレについて書いて下さい』という項目が挙げられていましたね。
その中に『会場に来たくなる仕掛け』といった項目はあったでしょうか?

なかなか面白い視点で、こういう内容がチラシに書いてあったら人が集まるだろうなと私は思います。

“詳細な条件をあらかじめ書いた長文プロンプト”は、そういった“脱線”が起きにくく、ゴールに向かってまっすぐ進んでいくことが多いです。

脱線しないということは効率的ではあるけれど、ある意味、“発想の広がり”が起こりにくいとも言えるでしょう。

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また、長文プロンプトの“弱点”としてよく知られているのが、

『プロンプトの最後の方に書いた指示は”無視”されやすい』

こと。

上級者はそれをよく知っていて、長文プロンプトは、いくつかの“ステップ”に分けて

『まずAをやって下さい。条件は(1)と(2)です』

別のプロンプト・・・
『次にBを処理して下さい。条件は(24)と(86)です。』

また別のプロンプト・・・
『AとBの結果を考慮して、Cの文章を作って下さい』

といった段階的な指示をする方も少なくありません。

こうすることで、細かい条件や指示も見落とさず、期待した通りの回答が出てきやすくなります。

「とっても詳しくプロンプトを書いたのに、なんでこういう回答になっちゃうんだろう?」

と思った時には、いくつかのプロンプトに分割して指示してみると良いかも?!

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と言っても、“詳細な長文プロンプト”が全く使えないわけではありません!

「このプロンプトなら、私の期待した答えが返ってくるぞ」

「◯◯をChatGPTに作ってもらいたい時の条件はこれで十分よ」

というコトがわかっているのなら、それらを一つのプロンプトにまとめておくのも効率的なやり方です。前と同じ作業なのに、毎回“ざっくりプロンプト”から始めなくてはならないわけではありません。

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“ざっくりプロンプト”は、あなたの“アタマの中で考えているコト”を整理するために役立ちます。

ChatGPTと一緒に「どういうのがいいかな?」、「こういうのはどうでしょう?」と相談しながら話を進めていくと、「なるほど、そういう視点もあるのか」、「じゃあこういう条件を加えてみよう」、「自分が求めていた答えはこういう感じなんだな」と、あなた自身の考えがハッキリしてきます。

これまでたくさんの勉強会や企業の研修会を経験してきた中で、

『自分はどんな“回答”が欲しいのか?を正しく自覚、言語化できている人は少ない』

ことがわかりました。

そこで“ざっくりプロンプト”でまずは話を進めて「自分が期待する話の流れ」を見つけていくことで、「あ、自分はこういう回答が欲しかったんだな」と気づくのが、実は“現実的”で“王道”なのかも…と思っています(*^^*)

…ですが、新たにこんな“問題”も出てきます。

『どっちに方向修正をしたら良いのか、わからない』問題、です。

もっと具体的に言うなら『ChatGPTの回答がどうもしっくりこないけど、どう返事をしていいのか、わからない…(言葉が出てこない)

感覚的に「何か違うな…」と思っているけど、それを言葉でどう表したらよいのかがわからない、という問題です。

船の航路は、船長であるあなたが決めるしかありません。でも、どっちに進めていくのが良いのかわからない…。そんな時はどうしたらいいのでしょうか?

次回は、そんな時にどうしていけばいいのかのヒントをご紹介します (*^^*)


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【今日のまとめ】

 自分が求めている回答がどんなものか? わかっている人は少ない

☆ まず“ざっくりプロンプト”で話を進めると、「自分が求めている回答」がどのようなものか?がだんだんとわかってくることが多い。

☆ 短いプロンプトは、航路修正がしやすい。また思わぬアイデアも出てきやすい

☆ 長文プロンプトでは、最後の方に書いた指示や条件が見逃されやすい。いくつかの短いプロンプトに分けて、段階的に聞いていくのも良い。

--- 山梨 栄司 

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・・・・

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