「以前と同じ答えが返ってこない!」 ← それでいいんです!
「ことのは塾」のやまなしです。
……ココは『日本一ハードルが低いChatGPT講座』……。
今日も教室に生徒さんたちがやってきましたよ (*^^*)
小林:この前、ChatGPTくんにレシピを考えてもらった料理、作ってみたらとっても美味しかったの。
上田:へぇ、良かったじゃない。
小林:それで、また同じ料理を作ろうと思ったんだけど……メモを失くしちゃって……
やまなし:それだったら、ChatGPTには『履歴』が残りますよ。
※ 筆者注:メールアドレス等を登録しないでChatGPTを使った場合は履歴が残りません
上田:そうだよ。履歴をたどればいいじゃない。
小林:それが……ワタシ、知らないうちに消しちゃったみたいで…。
上田:えー、そうなんだ。
小林:それでね、この前と”同じ質問”をしてみたの。「酸味のきいた、ちょっとおしゃれな鶏肉料理を考えて」って。質問は覚えてたから。でも……
やまなし:もしかして、“以前と同じ答え”は、返ってこなかったんじゃないですか?
小林:そうなの!この前は、確か「チキンレモン」だったんだけど、もう一度、聞いたら「チキンのトマト煮」はどうですか?って、別の答えになっちゃって。
上田:そっちも美味しそうじゃん
小林:そうなんだけど、レモンのやつは家族からのリクエストなのよ~。「この前のアレ、もう一回、作って~」って。そんなリクエストには応えたいじゃない。
上田:仕方ないから、レシピサイトとかで調べるしかないんじゃないの?
小林:それが、「よくあるレシピ」に何か“隠し味”を入れたのよ。それは覚えてるんだけど、それが何だったか思い出せなくて…
上田:先生、”同じ質問”をしてるのに、ChatGPTくんが“違う答え”を返してくる、なんてことあるの?
やまなし:結論から申し上げますと、"それが普通"なんです。
生成AIは、「同じ質問をしても、違う答えが返ってくることがある」んです。
小林:えぇっ? 何で? “コンピューター”なのに
やまなし:そう思いますよね。でもそれが生成AIの特性なんです
小林:特性?
やまなし:今日は、よりよくChatGPTくんとつきあうために、生成AIの“中身”について少し勉強してみませんか?
上田:難しい話はカンベンよ。
やまなし:はい、大丈夫です(*^^*) イメージしやすいお話にしていきますね。
小林:あ、そっちの方がいいです。
やまなし:生成AIって、2つの特性を持っているんです。
それが『ランダム性』と『文脈』。
上田:先生、それくらいでもう“ギリ”よ、限界、近いよ。
やまなし:もうちょっとついてきてもらえませんか? (^_^;)
「ランダム性」っていうのは、まさに今回の話のように、「同じ答えを出さないようにする」ということなんです。
人に話しかけた時、いっつも同じことを言う人は、なんだか人間らしくないですよね?
小林:うん、ド◯クエの村人みたい。ヤダ。
やまなし:人間らしさって、そういった「いつも同じ答えを返さない」というところにある、と生成AIは決めていったんです。
小林:「この前していた話、もう一回して」ってお願いしたら、一言一句、カンペキに同じ話をする人がいたらコワいもんね。
やまなし:そうですね (苦笑)ちょっとコワいですね。
上田:「えぇ~? そんな話、したっけ??」なんていうくらいが人間ぽいですね。
小林:ぽいぽい、上田ちゃんっぽい。よく言ってる、そんなこと。
上田:あれ?いつの間にボクの話に?
小林:そっか、じゃあ「同じ質問をしても、同じ答えを返さない」ってむしろ……
やまなし:はい、自然なことなんです。
上田:じゃあ、「文脈」っていうのは?
やまなし:それは、“話の流れに従って、話をする”っていうことなんです。
生成AIは人間の書いたたくさんの文章を取り込んで、「こういう話の時は、次にこういう言葉が出てくるぞ」って勉強しているんです。
たとえば「ねこ」の話をしていたら、「かわいい」とか「ねこ飼いたい」とか「今日はねこの世話をする」といったワードや文章を”連想”するように訓練されるんですね。
小林:「ねこのおやつ」とか「ねこカフェが好き」とかを連想する人もいるかもね。
上田:「ねこ」って聞いて、「肌寒い」って答える人はいないもんね。
やまなし:今、出てきたようなワードや文章それぞれに「どのくらい関連しているか?」という数値を与えるんです。
「ねこ」って言ったら、「かわいい」とか「飼いたい」は関連性があるぞ、「肌寒い」っていう言葉はあんまり関係が無いぞ、って生成AIに教え込むんです。
上田:最近、よく聞く「AIをトレーニングする」って、そういうことをやってるんだ。
やまなし:今、話している話題が何についてなのか?を理解して、その文脈に合った内容を返す……それが「文脈」という考え方です。
小林:(チラッ)上田ちゃん、大丈夫?
上田:オッケー、まだついて行けてる(グッ)
やまなし:その2つが合わさることで、『話の流れはちゃんと守るけれど、毎回、同じことを言うわけではない』といった、まるで人間のような会話ができるようになるんです。
上田:なるほどねぇ。
小林:そのお話と、「よりよくChatGPTくんと付き合う」とは、どうつながるの?
やまなし:このお話を知っていると、ChatGPTくんとつきあう時の“心がまえ”が変わってくると思うんです。
上田:へぇ。ChatGPTのような”システム”を使う時の話じゃないみたい。
やまなし:まさにそうなんです。ChatGPTくんを「コンピューターシステム」だと“思わない”のが、上手なつきあい方のコツになると思うんです。
「AI」とか「コンピューター」って聞くと、“絶対、間違わない”っていうイメージを抱きがちじゃないですか?
小林:うんうん。私も事務仕事をしてるけど、パソコンとかExcelが“間違う”って誰も思ってない。
やまなし:そうですよね。一方、ChatGPTくんは間違ったことも言っちゃうし、自分で言ったことすらも忘れちゃう。全然、コンピューターらしくないんです。
上田:今日のChatGPTくん、超ディスられてる……
やまなし:でも、そんなコだからこそ、“話し相手”にはうってつけだと思うんです。
絶対に間違わない「電卓」や「Excel」と話しても面白くないですよね。
小林:Excelに向かって話しかけてる人、コワい…
上田:『 ほぉ~Excelくんは、8たす1は9だと言うのだね? む~ん……正解 』
小林:……キモチワルイので先に進めて下さい
やまなし:わかりました(苦笑)
私たちは「正しい答えが欲しい時」ではなく、「誰かに相談したい時」にChatGPTくんを頼ればいいと思うんです。
上田:これまでもそういった使い方を勉強してきたよね。「旅行先のアイデア」の相談だったり……
小林:「お料理の献立」の相談だったりね。
やまなし:そうですね。
ChatGPTくんには“正しい答え”を求めるのではなく、“アイデア”を求めると、うまく付き合っていけると思うんです。
小林:なるほどねぇ~。納得。
……先生、話は戻るけど、今回のアタシの「失われたレシピ」は…
やまなし:取り戻す可能性はゼロじゃあないですよ。
小林:ホント?!
やまなし:友だちに「この前していた話」を思い出してもらうのと同じです。
「この前、◯◯の話、してたよね?」とか、「あの時、△△を使ったんでしょ?」といった感じで“ヒント”を出して、思い出してもらいますよね?
小林:うんうん。「アンタ、こんなこと言ってたじゃない」なんて言って、なんとか思い出してもらおうとする。
やまなし:それと同じように、「レモンを使ったレシピだったよ」、「何か隠し味を提案してくれたよ」ってヒントを出してみてはいかがでしょう。
小林:そっか、ワタシも思い出しながら、ChatGPTくんに質問し直してみますね。
上田:先生、ChatGPTくんに教えてもらったコトで、「コレは絶対、忘れたくないなぁ」って話はどう保存したらいいの? そういう機能ってあるの?
やまなし:”履歴”や”アーカイブ”以外だとどうでしょう……ChatGPTくんに聞いてみましょうか。
上田:……わ、すごくシンプルな方法を伝えてきたよ。
小林:何て?
上田:「メモ帳にでもコピペして保存しとけ(超意訳)」って (≧▽≦)
【やまなし先生の解説】
ChatGPTくんを「コンピューター」だと思って接すると、実力を発揮させてあげられないかも知れません。
ChatGPTくんが得意なのは、「正しい結果を返す」ことではありません。それらは、Excelなど他のアプリの仕事。
生成AIは、人間のアシスタントとお話する時のように“意見”や“アイデア”を求めるのが、よい付き合い方。既存のアプリと使い分けていくのが大切ですね。
P.s.
今日のお話の最後、「メモ帳にでもコピペして保存しとけ」は、実際はもっと丁寧な説明をしてくれましたよ。
まぁ、言っている内容は、まさに文字通りなのですが…(^_^;)
【今日のまとめ】
◆ 生成AIは、「自分の言ったこと」でも忘れてしまう
◆ 常に同じコトを言わない「ランダム性」が、人間らしさをつくっている
◆ 生成AIは、話の流れ「文脈」を理解している
◆ 生成AIは、答えがブレるし、正確ではない場合も…。「正しい答え」が欲しいなら、別の手段を試すべき
◆ 「人間のアシスタント」のようにつきあうことで、生成AIの本当の実力を引き出せる
--- 山梨 栄司
今、話題のChatGPT(「生成AI」)。
・ 展示会の「チラシ」の内容を考えてくれたり、
・ 会議用の資料やタイムスケジュールをうまく作ってくれたり、
・ 社内にある売上データや「お客さまアンケート」などのデータを分析してくれたり
と、『業務の効率化』や『業務のレベルアップ』に非常に役立っています。
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ソフトバンクの孫さんなど大企業のトップも活用している、この新技術。
しかし、もっと大きなインパクトを享受できるのは、実は「中小企業」や「小さなお店」。
一人のスタッフが、いくつもの仕事を柔軟にこなす必要がある会社やお店であればあるほど、"様々な仕事のアシストができる"ChatGPTの恩恵は大きくなります。
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しかし…
私たちにご相談いただく企業やお店から伺ったところ、
☆ ChatGPTを社内に導入したいが、何から始めたら良いのかわからない…
☆ 我が社ではどんなことに使えるのか? 今ひとつつかみきれない…
☆ 「新しいことを覚えたくない」、「自分の仕事を奪われるのでは?!」と社員が前向きになってくれない……
といった“声”があるのも事実です。
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