こんにちは! “想い”を伝えるマーケティング ~「ことのは塾」の山梨 栄司と申します。
私たち「ことのは塾」は、全国各地の食品メーカー様や農業会議様、農業法人協会様などからご依頼を受け、「どうやって売るか?」、「どうやってファンを増やすか?」といったテーマで講演をさせていただいております。
このページでは、全国各地で出会った農生産者さん・食品メーカーさん・飲食店さんなどと一緒に考えてきた『 おいしさの上手な伝え方 』のノウハウについてご紹介しております。
このページに興味を持って下さったということは、きっとあなたの扱う「食べ物」は美味しく、工夫をこらしたものなのでしょう。
しかし、その“美味しさ”や“工夫”をお客様に伝えきれていない・・・と感じているのではないでしょうか?
「 もっと伝えたいコトがあるのに! 」
「 どうやって伝えていったらいいんだろう・・・ 」
と悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかくの工夫や努力、ワクワク感をお客様にも知ってもらいたいですよね。
私たちのお客様にも、「伝える」ことで大きく変わったお客様がいらっしゃいます。
まずはその「ケーキ店」のお話を少し聞いて下さい。
【 おいしいのに売れない?! 】
「おいしいのに、なぜ売れないんだろう?」
そのケーキ屋の店長さんは、本当に不思議に思っていました。
移り住んだこの土地にケーキ屋を開いたのが3ヶ月前。それまで勤めてきた店でマジメに修行をしてきたこともあって、自分の作るケーキのおいしさには自信がありました。
その自信のあるケーキが・・・売れないのです。
素材は全国各地から取り寄せた、厳選素材。
おいしさだけでなく、体に良い、安全なものだけを使う配慮もしました。
何度も試作品を作り、何度も試行錯誤を繰り返しました。
その結果生まれた、とてもおいしい安心・安全なケーキだったのです。
しかし、売れません・・・。
“大通りから一本入った所”という立地も、“一見したところ、普通の民家に見える店構え”も売り上げの悪さの一因だったのかも知れません。
通りすがりの人が外から店内をのぞくことがあっても、中に入って来てくれる人はあまりいなかったのです。
「おいしいものならきっとお客様にわかってもらえる。きっと売れるようになる」
そう信じてケーキを作り続けてきましたが、それももうそろそろ限界です。
しかし、ある“武器”を手にした時から、このケーキ屋の売り上げは大きく伸びていきました。リピーターも増え、新規客も順調に増えています。無理な割引セール等に頼ることなく、売りたいケーキが売れています。
宣伝や店の改装にお金をたくさんかけたわけではありません。
ケーキを売るスタッフの顔ぶれが変わったわけでもありません。
ましてやケーキそのものが劇的に変化したわけでもありません。
ケーキの売り上げを大きく伸ばしたその“武器”とは、『一本のペン』でした。
【 『一本のペン』が“武器”になる理由 】
「私が書いてみる」
そう言って『一本のペン』を手にしたのは、店長の奥さんでした。
彼女の書く文字や絵が、その後、この店にお客様を呼び、リピーターを増やすことになるのです。
最初にそのペンで書いたのは、ポスティングチラシでした。
少しわかりにくい場所にあるお店を知ってもらうためには、こちらからアプローチをかけるのが一番。
自分でコピーして、配布するポスティングチラシなら、それほどお金をかけなくても作ることができます。
しかし、世の中にケーキ店は多々あります。チラシにただ「ケーキ屋です。来て下さい」と書いても、お客様はやってきてくれません。
そこでチラシには、このお店ならではの特長を書いていきました。
『 “定番の無いケーキ店” ~ 旬の果物、旬の野菜を使ったケーキばかりですので、季節の移り変わりとともにケーキも変わっていきます。
“いつもの定番”がこの店にはありません。
今、この季節に一番おいしいケーキは何だと思いますか?
ぜひ確かめにきて下さい! 』
“珍しいモノ”が好きな人たちに「何だかちょっと面白そう」と思ってもらえたのでしょう。このチラシを配るようになってから、来店客は目に見えて増えるようになったのです。
そして、来店してくれたお客様を逃さないようにすることも大切です。そこで次に奥さんはペンを使ってPOPを書き始めました。
これまでは、
『 旬いちごのショートケーキ ~ 380円 』
と商品名と価格しか書いていない、いわゆる“値札”でした。
魅力の見えない“値札”をやめ、商品の特長をちゃんと書いたPOPに取り替えたのです。
『 旬いちごのショートケーキ ~ 今朝、農園から取ってきた“手摘みのいちご”を使っています。わずか2ヶ月しか味わえない、みずみずしい甘味を試してみて下さい! ~ 380円』
これなら商品の良さがどこにあるのか、ショーケースの外からでもわかりますよね。
いつも来てくれる常連さんには、『季節のダイレクトメール』を送りました。
ダイレクトメールを出した翌日には、新作を楽しみにして来たお客様で店内が混み合います。
“このケーキのおいしい食べ方”を書いた『カード』も作りました。
お買い上げいただいたケーキをそれぞれのカードと一緒にお持ち帰りいただくようにしたのです。
すると、ケーキを食べる時に「これは貴重なマンゴーを使ったケーキなんだね」、「えっ!?隠し味に味噌が入ってるの?!」と驚いたり、納得したりしながら食べてもらえるのです。
・・・このようにして、たった一本のペンで書かれた文字や絵が、このケーキ屋さんを繁盛店に変えていきました・・・。
・・・
こんな風に「おいしさを伝える」こと・・・実はさほど難しいことではありません。
「ことのは塾」では、これまで多くの生産者様、飲食店様と一緒にアピール文を考えてきましたが、ほとんどの方が「おいしさを表現する言葉」をレベルアップさせています。
ポイントはこれからご紹介する『 3つのステップ 』をクリアーしていくこと。
実際、このケーキ店もこの「3つのステップ」をうまく実践していきました。そして、お客様と上手にコミュニケーションを取れるようになっています。
食べ物に込めた“想い”を伝える「3つのステップ」・・・一緒に詳しく見ていきましょう!
では、具体的なステップについて説明をしていきましょう。
最初のステップは『 あなたが "本当に伝えたいコト"に気づく 』ことです。
私たちはこれまで何百という企業・店舗のチラシやホームページのサポートをして参りましたが、「本当に伝えたいコト」を伝えている方は意外なほど少ないのです。
大半の企業・店舗が伝えているのは「コレはこういうモノです」という「商品情報」。
「このケーキはこういうモノです」
「この野菜はこのように栽培したものです」
「この肉はこういう肉質で、こういう料理に合います」
このような商品紹介は、まだモノが世の中にあふれていない時代にはとても効果的でした。
しかし、現代は世の中にモノがあふれています。
そして、“情報”もあふれています。
身の回りに情報があふれているお客様に向けて、
「 商品紹介文をちゃんと読んで、自分に合っているモノかどうかを、ご自分で判断して下さい 」
と言っても・・・お客様はそうしてくれそうにないですよね・・・ (^_^;)
事実、そうしてもらえていないからこそ、あまり考えずに「価格が安い方」に飛びつかれてしまったりします・・・。
・・・
では、現代に合った“情報”の伝え方はどうしたら良いのでしょうか?
多くの情報の中で、お客様の目に留めてもらうにはどうしたら良いのでしょうか?
本題に入る前に、ここで少しクイズを出しましょう。
Q. 世界中のどんな人であっても“あるモノ”には、必ずみんな興味を持っています。
(男性でも女性でも、小さい子でも大人でも、太った人でもやせた人でも・・・)
さぁ、その“あるモノ”とは一体何でしょう?
誰もがみんな興味のあること・・・それは「自分のコト」。
人間誰しも、“自分自身のこと”には興味がありますよね。
だからこそ私たちは、世の中にあふれる“情報”を
・ 自分に向けられたものか?
・ 自分に合ったものか?
という基準で取捨選択しています。
ただし、それはあくまで“無意識”に行われています。
・ 自分が興味を持っているコトは、自然に飛び込んでくる
と言った方が的確でしょう。
あなたは「自分の家で買ったクルマが、急に街に増えたような気がする」といった経験をしたことはありませんか?
何かの瞬間に、特定のクルマが急に増えるというのは現実ではあまり考えられません。
でも、増えたような気がするのは本当のことですよね。
あれは、まさに「自分が興味を持っていることが自然と飛び込んできた」状態。
たくさんのクルマの中から、「自分が買ったクルマ」という情報が飛び込んできたのです。
私たちは情報の洪水に溺れてしまわないよう、自然とそういうことができるようになっているんですね。
だからこそ、私たちからのアピールも、「その人が興味を持っているコト」に合わせたメッセージを送るのが大事なのです。
例えば、クリスマスケーキのパンフレットにはよく
A)『 北海道産生クリームとベネズエラの厳選したカカオを使ったチョコレートが絶妙なクリスマスケーキ 』
といった言葉が載っています。
ここまで読んで下さった方なら、この文章が「コレはこういうモノです」という“商品情報だけになってしまっている”、ということに気づいていただけると思います。
商品情報だけでは、お客様が「コレは私に関係のあるコトなのだろうか?」と考えなくてはなりません。
「自分に関係ありそうだ!」と思える情報にはピン!ときますが、「関係あるのかな? 無いのかな? どっちかな?」と迷うような情報は、基本的にスルーされてしまいます。
身の回りに情報があふれているので、そのレベルの情報に注意を払っていられないからなんですね。
「商品情報」だけでは、忙しい現代人には注目してもらえないのです・・・。
では、上手な企業やお店はどのようにしているのでしょうか?
彼らはちゃんと「その人たちが興味を持っていそうな話題」を、ちゃんと“メッセージ”の中に含めて送っています。
B) 『 生クリームと濃厚チョコ・・・2つの異なる味を互いにシェアして楽しむ、“恋人たちのためのクリスマスケーキ”です 』
C) 『 クリスマスはケーキが主役でしょ!?という人に食べて欲しい、 しっかり甘く、しっかり濃厚な、食べごたえのあるケーキです』
Bは「恋人同士の二人」に向けたメッセージ。
Cは「主役を張れるようなケーキがいい!」と思っている人に向けたメッセージになっています。
どうでしょうか?
BとCは“伝えたい相手”がハッキリしていますよね。
だからこそ、「お客様が興味を持っているコト = 伝えるべきコト」も明確になります。
恋人同士のふたりが興味のあるコトと言ったら、「2人で何をするか?」ですよね。
そのため恋人同士のふたりに向けては「2つの味をシェアして食べられますよ」という点をアピールします。
主役を張れるケーキが好き! という人は「食べごたえ」や「満足感 / 納得度」に興味があるのではないでしょうか。
だから、そういう方に向けては、「しっかり甘く、しっかり濃厚。食べごたえがありますよ」という点をアピールしています。
このように、相手が見えていると「相手が魅力を感じそうなポイント」が自然と見えてくるんですね。
・・・
“相手が興味のあるコト”を考えてもらいたいのには、もう一つ理由があります。
それは、食べ物や飲み物の魅力は“一つではない”からなのです。
たとえば、「お米」の魅力を考えてみましょう。
「味」はもちろん、「香り」も「粘り気」もありますね。
「冷めてもおいしい」、「無農薬栽培」や「有機栽培」だといったことも、もちろん魅力の一つです。
ひとつのお米であっても、このように“魅力”をたくさん持っています。
あなたの提供する作物や食べ物もきっとそうでしょう。
その魅力の“全て”を伝えようとしたら、紙面や時間がいくらあっても足りないです。
だからこそ、「伝える魅力を絞り込む」ことが大切になってくるのです。
その時に絞り込みの“基準”となるのが、「誰に伝えるか?」ということ。
例えば、同じお米を
A) 「お弁当に合うお米」を探している方
B) 「食育に合ったお米」を探している方
にアピールしたいとしましょう。
「お弁当に合うお米」を探している方に向けるのなら、
・ 冷めてもおいしい / 冷めた方がおいしい
・ もちもちで冷めてもかたくなりにくい
・ どんなおかずにも合う、クセのない味わい
といった事柄を伝えたら喜んでもらえそうです (*´ェ`*)
一方、「食育に合ったお米」を探している方に向けてなら、
・ 作っている人の“顔”や“つくり方”が見えるお米
・ 有機栽培で、地域の生き物(虫や魚)などと一緒に生きているお米
・ 子供が好きな「手巻き寿司」や「カレー」に最適のお米
だということを伝えたら喜んでもらえそうですね。
このように「アピールしたい相手」によって、「アピールしていくべきポイント」は全く変わってきます。
これを「誰にでも買ってもらいたい、ウケたい」と色気を出してしまうと・・・
「 有機栽培で丁寧に育てた、もっちり柔らかく、香りゆたかな、冷めても美味しい、とてもおいしいお米です。 」
といった紹介文になってしまいます。
誰にでも魅力的な文章になっていますでしょうか?
ただ、色々な“特徴”を並べただけの言葉になってしまっていますよね? (^_^;)
正直、一昔前なら、このような言葉でOKでした。
しかし、インターネットで情報が取れるようになり、お客様の周りには情報があふれています。
ネットショップで全国のお店・生産者が“ライバル”になったため、「競合商品」も増えています。
ツーカーで分かり合える“顔見知り”のお客さんだけではなく、幅広い取引先を相手にしている方も多いでしょう。
忙しい現代人のお客様を相手にしている私たちは、「その人が興味のあるコト」に関連させたメッセージを送る必要があるのです。
・・・
「その人が興味のあるコト」に関連させたメッセージは、もう一つの大きなメリットを生み出します。
それは「クチコミに乗りやすくなる」ということ。
SNS全盛の今、一般の人たちも自分の発信ツールを持っています。
情報のシェアをする人たちの多くは、できれば「いいね!」がたくさん欲しいと思っていますので、「いいね!」がたくさんもらえそうな話題を多くシェアする傾向があります。
つまり、彼らも「 読者が興味のありそうなコト = いいね!が押されそうなコト 」を選んで発信しているのです。
ただ「クリスマスケーキが発売になった」という話題では、シェアしにくくても、「ケーキが好きなカップルのためのケーキが出たんだって!」、「ガチでケーキ好きな人のためのクリスマスケーキだって!」という話題はシェアしやすい(シェアしたくなる)わけですね。
時代の流れにうまく乗れている会社や生産者さんは、単なる“商品紹介”を卒業し、このような“クチコミに乗りやすい紹介”を始めています。
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ここからは少しノウハウ(テクニック)的な話題に入っていきましょう。
『こういう人に喜んでもらいたい』というメッセージを考える時は、
× 何を伝える?
ではなく、
◯ 誰に伝える?
を先に考えて下さい。
(そうしないと、どうしても「商品説明」になりがちです)
・・・
私たちが食品メーカーさんや生産者さん、飲食店さんのサポートに入る時は、
『 あなたの商品のおかげで喜んでいる人は誰ですか? 』
という質問をしています。
あなたの扱う食品は、もうすでに誰かを幸せにしているはずです。
“足元”をしっかりと見つめ、「今、すでに出来ているコト」をベースに考えていくことで、地に足の着いた“魅力”をアピールしていくことができるんですね。
この質問をすると、実に様々な“答え”が返ってきます。
例えば、あるお茶農家さんにこの質問をしたところ・・・
「 うちのお茶で喜んでいる人は「社長秘書さん」です 」
という答えが返ってきました。
実はこの茶農家さん、日本でも珍しい栽培方法のお茶をつくっておりまして、近年では先進的なお茶に与えられる賞を獲得していたりします。
ただ、一方で生産量はとても少なく、一般のお店に出回ることはありません。
そして、非常に高価です。一般のお茶に比べて、数倍から十数倍のお値段。
だからこそ・・・「贈り物」に最適なんですね。
社長秘書は、取引先にお土産を用意する機会がとても多いポジション。
そして、「取引先とおみやげが一緒になってしまう」ことをとても嫌います。
そのため、「珍しい手土産品」を探しているんですね。
もちろん「珍しい」だけではなく、「相手先に喜ばれる」、「ウンチクが語れる」といった点も、とても気にされるそうです。
そんな社長秘書さんにとって、この農家さんのお茶はまさにピッタリのモノ。
このようなことがあって、「ウチのお茶は社長秘書さんに喜ばれる」という言葉が出てきたんですね。
・・・
このような特別なお茶は“特殊例”かも知れませんので、一般的な例もあげていきましょう。
私たちがある直売所をサポートした時の話です。
「この直売所は、誰に喜んでもらっていますか?」という質問に対し、お母さんたちは
「道路工事のお兄さんたちに喜んでもらっている」
という答えを返して下さいました。
近くで高速道路の建設をしていたこともあり、実際、相談をしている最中も多くのトラック運転手さんや、工事現場のお兄さんたちが店に入ってきていました。
このように“伝える相手”を明確にすると、「伝えたいコト」も絞り込まれてきます。
「 汗をかく仕事だから、あえて塩味を強めにしたお惣菜を作ったじゃない? それを強調したらいいんじゃないかな? 」
「 仕事で毎日来るんだから、お味噌汁が“日替わり”だってことをもっとアピールしたらいいんじゃない? 」
「 若いお兄さんたちが多いから、揚げ物が多いことをアピールしましょうよ 」
といったように、「道路工事のお兄さん」たちに向けた“メッセージ”をお母さんたちも考え始めて下さいました。
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そして、お客様は「おいしくて喜ぶ」とは限りません。
食べ物ですから、「おいしくて喜ぶ」ということが多いのは自然なことなのですが、人が喜ぶ時には、他にも様々な“理由”、様々な“場面”があります。
誰かを喜ばせることができて誇らしい・・・
誰かを癒やしてあげられて嬉しい・・・
親としての責任が果たせてホッとした・・・
あなたの食材やお料理は、そんな“うれしい場面”をたくさん生み出しているはず。
例えば、
・ いつもは食の細い子供が食べてくれてうれしい
・ 仕事から帰ったお父さんに温かいものを食べさせられてホッとした
・ 初めてデートに誘った彼女が楽しそうで希望が持てた
・ 産地ごとにお米の味がぜんぜん違うことを発見して嬉しかった
といった“喜び”があるでしょう。
取引先が「飲食店」や「ホテル/旅館」といった場合なら、
・ 地元の珍しい食材を紹介してもらえたおかげで、新しい“看板メニュー”を作ることができた
・ 流行りの食材を提供してもらえたおかげで、テレビの取材を受けられた
・ 「安全な日本の食材」というアピールができるようになって、富裕層の顧客が増えた
といった、“プロならではの喜び”があるでしょう。
そのように少し視野を広げて、「あなたの商品のおかげで喜んでいる人」を想像してみて下さいね。
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では、あなたもぜひ、『 あなたの商品のおかげで喜んでいる人は誰ですか? 』という質問に答えてみて下さい (*´ェ`*)
実際に買ってもらっているお客さん、実際に取引のある企業などを思い浮かべてみると良いでしょう。
「彼らに向けたメッセージ」を考えてみると、いつもとは違った“魅力”が浮かんでくると思います。
イメージする人の数は、何人でも構いません。
「子育て中のお母さん」にも「職場にお弁当を持っていくOLさん」にも喜んでもらっている“おやつ”を作っている企業さんもございます。
(もちろん、それぞれの相手に、違ったアピールをしていく方が良いでしょう)
業務用の食材を扱っているのなら、「小さな飲食店」、「大規模な惣菜メーカー」、「地元の旅館」など、現在の取引先をイメージしてみて下さい。
・・・
イメージが思い浮かんだら、
『 彼らはなぜ喜んでくれたのだろう? 』
『 なぜ、他のモノではダメなのだろう? 』
と想像してみて下さい。
※ 【注意!】: 「子育て中のお母さん」と「職場にお弁当を持っていくOLさん」など、何種類かのお客様を“同時”に考えてしまうと混乱してしまいます (^_^;) 一人ずつ、「お客様が喜んでくれる理由」を考えていきましょう。
先ほどの例で言えば、
・ 社長秘書さんは「珍しい、他の人とかぶらないお土産品になるから、そのお茶があることを喜んだ」
・ 道路工事のお兄さんたちは「汗をかく仕事だから、塩味の濃いお惣菜があって嬉しかった」、「毎日、食べるから味噌汁の具が日替わりで嬉しかった」
といったコトが“喜んだ理由”にあたります。
彼らを喜ばせることができた“理由”を考えるのは、「その人たちの心に響くアピールポイント」を見つけるため。
その商品が持つ数多くの“魅力”の中で、「その人たちにとって、何が魅力的なのか?」を考えて絞り込むことで、伝えたいコトの数も減り、シンプルになっていきます。
伝えたいコトはシンプルであればあるほど、お客様にストレートに響きます。
・・・
そしてまた、『 なぜ、他のモノではダメなのだろう? 』ということを考えることで、自分たちの「差別化ポイント」を探していきます。
競合する商品、競合する企業が全くいない、という幸せな方は、おそらくほとんどいらっしゃらないでしょう。
お客様はどんな買い物をする時でも、必ず「比較検討」をします。
・ どの野菜を買おうかな?
・ どのお店で買おうかな?
・ どの価格帯のものにしようかな?
・ やっぱり何も買わないようにしようかな?
など、アレコレと見比べ、買うものを決定しているはず。
だからこそ、私たちは「あなたにとってウチのが一番、良いですよ」とアピールをしていく必要があるのです。
その時も“お客様視点”で考えることで、より“リアル”な差別化ポイントが見えるようになってきます。
・ ウチの商品は、他のどんな商品と見比べられているのかな?
・ それらの商品と比べて、ウチの商品は何が良かったのかな?
・ 最終的にウチの商品を選んでくれた“決め手”は何かな?
実際にお客様に購入されているあなたの商品は、そのように“他の商品に勝っているトコロ”を持っているわけです。
その“購入の決め手”となった点は、それこそまさに“アピールポイント”。ぜひ、前面に打ち出していきましょう。
・・・
『 彼らはなぜ喜んでくれたのだろう? 』
『 なぜ、他のモノではダメなのだろう? 』
この2つが明確になってくると、『 こういうコトを伝えたい! 』という“あなたが本当に伝えたいコト”が明確になってきます。
「本当に伝えたい!」と思うと、それを伝えるための「勇気」・「情熱」・「説得力」が増します。
「 こういう人に喜んでもらっているんだ! 」、「 他にもこういうコトに興味のある人がいるだろう。彼らにも教えてあげたい! 」というエネルギーが生まれてきます。
商品の魅力を伝える、いわゆる“営業”が気持ち的にラクにできるようになりますし、相手も興味のある内容ですから、話を理解してもらえる確率もグンと上がります。
“本当に伝えたいコト”をつかむのには、そのような大きなメリットがあるんですね。
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もし、あなたが
「 この商品で誰が喜ぶんだろう??? 」
と迷うようでしたら、それはあなた自身にまだまだ“商品体験”が少ないのかも知れません。
1) 自分でその商品を食べてみる / 使ってみる
2) 実際に買ってくれているお客さんに話を聞いてみる
3) 同じような商品が載っている「雑誌」を読んで研究する
といった“体験”をしていきましょう。
「ことのは塾」のお客様でも、「どうしても伝える相手が思い浮かばない・・・」という方がいらっしゃいましたが、
・ 自分の商品を、自分で使ってみる
・ 愛用者にごあいさつがてら、話を聞きに行く
・ 書店や図書館を活用して、お客さんが読みそうな雑誌を読み込んでみる
といった“体験”をしてもらっていく内に、だんだんと「伝えたい相手」が見えるようになり、そこからはリアルな「伝えるための言葉」が書けるようになっていきました。
「本当に伝えたいコト」は、お客様の心に届いて、お客様の“行動”に影響を与えます。
つまり、購入や検索などのアクションを促すことができる、ということ。
情報化が進んだ現代であっても、いえ、情報化が進んだ現代だからこそ、「人が人を想う気持ち」は大きなチカラを持ちます。
「 こんな人に手に取ってもらいたい 」
「 こんな人を喜ばせたい! 」
ぜひ、“あなたが本当に伝えたいコト”を、本気で伝えて下さい。
そうすれば、「このコトを伝えたい! 喜ばせたい!」というあなたのエネルギーはきっとお客様に届くはずです!
・・・とキレイにまとめたいところなのですが、現実はそれだけではうまくいきません (^_^;)
心の中に「伝えたいコト」が強くあったとして、それをうまく“言葉”にして伝えられないことには、相手にうまく伝わらないのです。
では、次に「“想い”をどうやって言葉にしていくか?」について見ていきましょう!
ステップ(1)では、あなたが本当に伝えたいコト & 伝えたい相手について考えていただきました。
次のステップ(2)では、『 伝える“言葉”を選ぶ 』ことを考えていきましょう。
ここでポイントになるのは、「選ぶ」という言葉を使っていること。
伝える言葉を“書く”や“考える”ではなく、“選ぶ”のです。
「こういう人を喜ばせたい!」という気持ちは、誰のものでもない、あなた自身の気持ちでなくてはなりません。
でも、それを表現する“言葉”は、他の人の上手な表現方法を参考にしていきましょう。
私たちはプロの作家ではありませんし、コピーライターでもありません。
私たちのシゴトは、おいしいものを作ったり、お客様にお届けすること。
上手な表現をする“言葉”をゼロから考え出すことは、私たちがやるべきシゴトではないのです。
だからこそ、ぜひやっていただきたいのが、あなたの中に『 表現のストックを持つこと 』。
世の中には、「上手な表現テクニック」がたくさん存在しています。
あなたの会社でつくっている食品、あなたのお店で提供している料理に合った“表現テクニック”がきっとあるはず。
「ことのは塾」でも、たくさんの表現ノウハウをストックしており、書籍にもなっております。
☆ 『 おいしさを伝えることば塾 』( 同文館出版 )
Amazon 紹介ページ ※ 読んでいただいた方の“感想”も載っています!
たとえば、↓こんな「表現テクニック」がございます。※ 別ページが開きます
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~ せっかく“試食”をしてもらっているのに売れない・・・。そんな時は“伝え方”に工夫の余地があるんです!
☆ 「シャキシャキ」、「とろ~り」、食感を"擬音"で伝えよう!
~ ふんわり、とろとろといった“擬音”を商品紹介にうまく使うには・・・?
☆「安心・安全」 だから何? ~ 「安心・安全です」と言うだけではアピールにならないんです!
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このような「表現テクニック」は、「ことのは塾」のブログにもたくさん載っております。
( 表現テクニックの他にも、食品メーカーさんやスーパーマーケットなど、“食”に関係する企業の取り組みなども紹介しています )
興味のある方は、ぜひブログの方もご覧になってみて下さい (*´ェ`*)
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もう一つ、私たちがオススメしているのは『 雑誌 』の中の表現を学ぶこと。
そもそも雑誌というものは、「こういうコトに興味のある読者に読んで欲しい 」と読者が想定されています。
その読者の心に響くような言葉を、プロである編集者さんたちが考えているのですから、あなたの参考にならないはずがありません!
あなたの提供する食べ物や料理、食材に興味がある人は、どのような雑誌を読んでいるでしょうか?
「毎日、家族の食事を用意する人」なら、『オレンジページ』や『きょうの料理』、『3分クッキング』などを読んでいるかも知れませんね。
「健康的な食事を摂りたい」と思っている方なら、それらの雑誌に加え、『日経health』や『きょうの健康』を読んでいる方もいるかも。
「外食が好き」、「流行の料理が食べたい!」という方に向けてメッセージを送りたいなら『東京カレンダー』や『関西ウォーカー』などが役に立つでしょうし、
「料理をする男性」に向けた言葉を探したいのなら、『dancyu』などがオススメです。
このように「食べ物」に関する雑誌は、非常に幅広いラインナップが展開されています。
それだけに、専門的な表現やファンにはわかるフレーズなどもちゃんと載っています。
ファンやマニアを自認する方は、そういった“専門用語”的な表現を好む傾向があると言われています。
一方で皆さんのような「本当のプロ」が現場で使う言葉は、専門度合いが高すぎて、意味が伝わらないかも知れません。
どのような言葉ならお客様に伝わるのか? それを測る“基準”として「雑誌に載っている言葉」を使っている方もいらっしゃいます。
雑誌に載っている言葉ならファンやマニアの方は理解できる、というわけですね。
・・・
個人的には「図書館」もオススメです (*´ェ`*)
全ての雑誌、とはいきませんが、有名どころの雑誌を置いてある図書館は少なくありません。
「バックナンバー」が置いてある、というところもオススメポイントのひとつ。
同じ雑誌を何冊かまとめて読んでみると、
よく使われている「キーワード」
が探しやすくなります。
雑誌の中でよく使われているということは、「その言葉が流行っている or これから流行らせようとしている」わけです。
たとえば、食べ物の世界では、少し前から「◯◯ない」という言葉が流行っていますね。
・ 巻かないロールキャベツ
・ 揚げないからあげ
・ 挟まないサンドイッチ
などなど。
世の中では「◯◯ない」が流行っている、という流れも雑誌を見ているとつかむことができます。
ネットショップなど、SEO対策が重要なシゴトでは、「流行っているキーワード」、「次に流行るキーワード」をあらかじめ組み込んでおいて損はありません。
ネット媒体でなくても、たとえばチラシなどに載せる言葉だったとしても「流行りのキーワード」は目に留まりやすいという利点があります。
“流行りのキーワード”も、ぜひあなたの武器にして下さい!
・・・
雑誌の世界も日進月歩。本屋さんに行けば、あなたの知らない雑誌に出会うこともきっとあるはずです。
書店に行くと、皆さんどうしても「いつも読んでいる雑誌の棚」に向かってしまう傾向があるのですが (^_^;)
あくまで、「あなたのお客様が読みそうな雑誌」を探して下さいね。
あなたが男性だとしたら、女性誌はあまり手にしないかも知れません。でも、食べ物に興味のある女性はもちろん多いわけですから、女性のキモチを知るために女性誌を読むことはとっても良いことです。
逆に、料理に興味のある男性も増えてきました。デートでお店を選ぶのも、やはりまだまだ男性がリードしたいと思っている方も多いでしょう。
あなたが女性だとしたら、「男性がどんなキモチで料理をしているのか?」、「男性がどんな情報を参考にしてレストランを選んでいるのか?」は参考になるはず。
普段読まない雑誌を読んでみる、それだけでも世界は広がりますよ (≧∇≦)/
・・・
そんな風にたくさんの雑誌を読むのに適したサービスも出ています。
「ことのは塾」がおすすめしているのは、『dマガジン』というサービス。
数百円の月額料金でたくさんの雑誌を読むことができます。(一部の雑誌は特定のページのみですが、グルメ・食べ物系の雑誌はほとんどのページが見られるように思います)
・ 定期的にメールマガジンを書いている
・ 季節ごとに店頭のPOPをすべて作り変えている
・ チラシに書く文言を毎回変えている
といった方は、「手元に表現の参考書を置いておく」と考え、このサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
・・・
あなたの中に、たくさんの“表現テクニック”がストックされていけば、様々な食品・料理・作物に対応することができます。
ぜひ、たくさんのストックを持つようにしていきましょう!
“本当に伝えたいコト”をうまく表現する“言葉”が見つかったら、次にそれを「発信」していきましょう。
情報化が発達した現代・・・発信の“手段”は様々にありますので、最適なモノを選びたいところです。
・ どこに行って告知をする?
・ どんな広告手段を使う?
・ どんなアピールをする?
など、考えるべきコトはたくさんありますが、ポイントは2つ。
1)「あなたのことを歓迎してくれる人」はどこに集まっているか?
そして
2)彼らは何を“情報源”にしているか?
では、この2つのポイントについて考えていきましょう。
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これまでのステップで「その商品であなたが喜ばせたい人」について考えてきましたね。
ここからのステップでも基本は同じです。
お客様からしたら「自分のことを喜ばせてくれる人=あなた」が来るのですから、きっと歓迎してくれますよね?
だからこそ、1)「あなたのことを歓迎してくれる人」はどこに集まっているか?」を考えていくのです。
あなたの商品を喜んでくれる消費者がきっといます!
あなたの作物を喜んで仕入れてくれる会社もきっとあります!
「営業活動はイヤなモノ・・・」と考えてしまうと、非常に億劫になってしまいます・・・(^_^;)
でも、こう考えて下さい。
「 彼らは、私がやって来て、この食べ物のことを教えてくれるのを待っている!! 」
そうです、あなたは“歓迎”されているんです! (≧∇≦)/
こう考えると勇気が湧いてきませんか?
実際、成績の良い営業マンは「自分は良いことをしに行くのだ」という意識が強いのだそうです。
(これはお客様のためになることだ!)と考えているため、それが表情や雰囲気にも現れるのでしょう。
「私は歓迎されている。嬉しいな (*´ェ`*)」と思えるトコロに出向くことが大事なんです!
・・・
そのように「あなたが歓迎される場所」を考えることは、
☆ 誰にこの食べ物のコトを伝えればよいか?
☆ チラシやパンフレットをどこに置けばよいか?
☆ クチコミの起点となってくれる人をどこで探せばよいか?
といった疑問に答えることにつながります。
歓迎してくれる相手がいないトコロにいくら営業や告知をしても、良い反応は望めません・・・。
逆にそういう人たちが集まっている所に営業や告知をしていけば、「そうそう! こういうのを待っていた!」と言ってもらえます。
気持ちがラクな所に行くことは、実は営業効率が良いことが多いのです。
逆に「行っても大丈夫かな・・・怖いな」と腰が引けてしまうようなところに営業をかけようとすると、どうしても億劫になってしまい、アクションが後手後手に回ってしまいます・・・(^_^;)
楽しく営業や告知をしていくことは、実は営業活動を積極的に行えるような環境を整えることでもあるんです!
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あなたを歓迎してくれる人はどこに集まっているのか?と考える時、必ず“2つの場所”を考えて下さい。
1) リアル世界ではどこ(場所)にいるのか?
2) ネットなどバーチャル世界ではどこ(サイトやサービス)にいるのか?
という2点です。
・ 食材にこだわる人は、「料理教室」や「マルシェイベント」に多く集まっているのでは?
・ 県内産の野菜を欲しがっている人は、「観光地」や「旅館」に集まっているのでは?
・ カタチが不揃いな野菜を欲しがっている人は、「スムージーのショップ」を経営しているのでは?
といったように“リアルな場所”を思い浮かべるのと同時に、
・ 食材にこだわる人は、「産直野菜のショッピングモール」をよく見ているのでは?
・ 県内産の野菜を欲しがっている人は、「旅行の口コミサイト」に集まっているのでは?
・ カタチが不揃いな野菜を欲しがっている人は、「スムージーダイエットのカリスマ」のTwitterをフォローしているのでは?
と、ネット上の“場所”も考えてみましょう。
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「人が集まっている場所」・・・と言うと、できるだけ多くの人がいる場所でなくてはならない、と考えてしまいがちですが、実はそうではありません。
ここで一つ、事例をご紹介しましょう。
「ことのは塾」のサポートで茶農家さんが『緑茶』を販売するのに、「お茶が好きそうな人が集まっている喫茶店」に協力をお願いしました。
喫茶店は紅茶やコーヒーを飲みに来る人が多いはず・・・
ならば「緑茶」も好きな人が多く集まっているのではないか?
茶農家さんを歓迎してくれるのではないか?
という仮説に基づいて「お茶会」を開催しました。
実はこのお茶屋さん、数年ほど前に東京の“品川駅”で試飲サービスを行ったことがあります。
大ターミナル駅ですから、目の前を通る人は数万人。試飲をしてくれた方も300人を超えました。
しかし・・・その中でお茶を買ってくれた人は10人ほど。その後、付き合いが続いている人は0人だそうです・・・(TдT)
一方、喫茶店で行ったイベントでは「お茶好きの女性」が8人集まりました。
わずか8人・・・なのですが、集まってるのはみんな“お茶好き”。もちろん、大歓迎されました (*´ェ`*)
8人全員がその場でお茶を買ってくれた上に、その後もネットショップで継続的に購入をしてくれているそうです。
結果的にこちらのお客様の方が売り上げが大きくなったのは言うまでもありません。
商品のPRをする時、私たちはつい「人が多く集まっていればよい」と思ってしまいがちです。
しかし、本当に欲しいのは「自分を歓迎してくれる人」=「自分のことや商品を好きになってくれる人」。
いくら目の前の人数が多くても、自分のことを好きになってくれる人がいなかったとしたら意味が無いのです。
だからこそ、あなたを歓迎してくれる人が『 どこに集まっているか? 』を考えていきたいのです。
・・・
こんな風に「自分が歓迎される場所」を探すのは、実に“楽しい仕事”です (*´ェ`*)
ぜひ、あなたも考えてみて下さい!
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次に、2) 彼らは何を“情報源”にしているか?についても考えていきましょう。
お客様の“情報源”を知りたい理由は2つあります。
1つは「広告を載せたり、記事に取り上げてもらうため」。
広告を出そうにも、お客様が見ていない情報源だとしたら意味がありませんよね。
そして、もう1つは「お客様が慣れ親しんだ“表現”を知るため」。
人は、慣れ親しんだモノの方がスムーズにアタマの中に入ってきます。
よく読む雑誌や、よく見るホームページに載っている言葉は、慣れ親しんだ表現であるため、その方にとって「読みやすい表現」になるわけです。
一方、専門用語や、“若者言葉”、“ネット言葉”のような特殊な言い回しは、読む人を選びます。
しかし逆に、そのグループの中にいる人たちにとっては慣れ親しんだ表現なので、とても心地よい表現となるわけです。
どんな表現が読みやすいのか?、どんな表現では伝わりにくいのか? それを知るために「お客様の情報源」を知ることが大事になってきます。
・・・
では具体的な“情報源”について見ていきましょう。
今、世の中にはこのような“情報源”があります。
「新聞」、「雑誌」、「マンガ」、「チラシ」、「パンフレット」、「ダイレクトメール」・・・
「テレビ」、「ラジオ」、「Youtube」、「ネット配信番組」・・・
「ホームページ」、「ニュースサイト / まとめサイト」、「口コミサイト」、「Twitter」、「Facebook」、「LINE」、「メールマガジン」、「ブログ」・・・
「店頭」、「展示会などのイベント」、「クチコミ」、「家族・友人・知人」、「実際の商品を見て」・・・などなど。
私たちはこんなにも多くの“情報源”に囲まれているんですね。
さぁ、あなたの話を喜んで聞いてくれそうな人、あなたの商品で喜びそうな人は、どのような“情報源”から情報を得ているでしょうか?
いくつかのチラシやパンフレット、ホームページなどを集めていくと、“傾向”が見えるようになってきます。
よく見られるのが、
◆ 商品のコトばかり言っているモノが多い → 「お客様の声」などを載せることで差別化できる
◆ どこのメーカーも“同じようなコト”を言っている → アピールしたい特長を絞り込んで、詳しく伝えていくことで差別化できる
◆ そもそも他社があまりアピールしていない → 自社がアピールを始めることで“第一人者”になれる
といった傾向です。
あなたがアピールしたい商品はどのような傾向があるでしょうか?
まずはそれを調べてみましょう!
・・・
あなたがもし、想像がつかなかったら、ぜひこうしてみて下さい。
実際のお客様に聞いてみるのです。
「 Q. ◯◯については、どこから情報を得ますか? 」
「 Q. ◯◯について知りたい時、どんなものを見ますか?」
といった質問をお客様にしてみて下さい。
「Q.お米については、どこから情報を得ますか?」
「Q.知らない野菜の調理法について知りたい時、どんなものを見ますか?」
「Q.おせち料理については、どこから情報を得ますか?」
「Q.子供の食育について知りたい時、どんなものを見ますか?」
といった感じです。
・・・
私たちはお客様に話を聞きたい時、よく『 試食会 』と称してイベントを行っています。
「ことのは塾」がサポートしている実例をご紹介いたしましょう。
今、私たちはレストランとエステサロンが共同で開発~製造~販売を行う「美容に良いグラノーラバー」の商品化サポートをしています。
「 “腸”のはたらきを良くする食べ物で作ったので、カラダの中からキレイになりたい人に喜んでもらいたいです 」
「 食べ物に気をつけたいけれど、時間が無くて諦めている方に食べてもらいたいです 」
という商品です。
まず、そのような「カラダの中からキレイになりたい人」は、エステサロンに通っていることが多いのではないか?と想像しました。
そこで、エステサロンに協力をしてもらい、試食会に参加してくれる方を募りました。(集める人数は5~6人で十分です)
集まって下さった方に、
Q. 美容に関して、どんなお悩みがありますか?
Q. 食事で気をつけていることはありますか?
といった質問に加え、
Q. 美容に関する情報はどこで集めていますか?
Q. 食べ物に関する情報は?
という質問もしていきます。
そうすると、お客様の“情報源”が見えてくるんですね。
美容に関しては「エステティシャンなどの専門家からのアドバイス」が多く、「雑誌(女性誌)の特集」、「インターネットの美容サイト」という回答もありました。
食事・食べ物に関しては、「テレビ」、「雑誌」といった回答もありましたが、圧倒的に「友人・知人のクチコミ」(FacebookなどのSNS含む)という回答が多く聞かれました。
この結果から判断すると、
☆ “美容に良い”ということをアピールするには、エステサロンやエステティシャンなど“専門家”からの発信が良さそう
☆ “食事”でカラダの中からキレイに・・・ということに関しては、SNSでクチコミしてもらうのが効果が高そう
と言えそうです。
そこで
◆ エステサロン協会などに告知をしていこう
◆ エステサロンに商品を持ち込んで評価をしてもらおう
◆ イベントを定期的に開催して、SNSにみなさんが載せやすいようにしよう
というアクションを取っています。
「美容に興味のあるお客さんなら、きっと喜んでくれる!」と始めた試食会は、参加者はもちろん、主催する私たちにとってもモチベーションを上げてくれる、良い“場”になっています。
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このように「集まる場所をつくる」というのは、今、“食べ物”をPRしていく王道の手段になってきています。
FacebookなどのSNSが発達し、世の中に「イベント」がとても増えました。
展示会やフェスのような大規模なイベントばかりではなく、食品メーカーや販売店、料理教室や喫茶店が主催する“小さな食のイベント”も増えてきています。
「 お米の生産者が教える、“今年のお米のおいしい食べ方”」
「 トマト農家の“おうちごはん” 」
「 茶農家と一緒に“My 紅茶”を作ってみよう! 」
「 梅干し専門店だからこそ知る、“こんなに違う、日本の梅干し” 」
「 大学教授と学ぶ“カスピ海ヨーグルト” 」
といった“食のイベント”があります。
このようなイベントに参加してくれるのは、その食べ物の“ファン”である確率が高いでしょう。
だからこそ、あなたのつくる食品をアピールするにも、消費者の意見を聞くにも、とても良い“場”になるわけです。
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私たちは、お客様との接点をつくるために「手紙」もよく使います。
私たちの食品を喜んでくれそうな方が、運良く私たちを見つけてくれるとは限りません。
そこで、こちらから「手紙」を出して、会ってもらえるようにしています。
その時のコツは「売り込みをしない」こと。
「こういうトマトです」
「こんなお茶です」
と、商品をアピールしたくなるのはやまやまなのですが、それでは読んでもらえません。
仮に読んでもらえたとしても、相手があなたの食べ物・飲み物についてよく知っていて、目利きができるとは限りません。
あなたの商品の“良さ”がわかってもらえないと、商談や問い合わせにつながる確率がグンと下がってしまいます・・・。
手紙に書くべきは商品アピールではなく、「お客様が今、興味を持っているコト」。
例えば、『高級な緑茶』を「旅館やホテル」に向けてアピールしたい時には、
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オリンピックに向けて、外国人観光客のおもてなしを考えていらっしゃいませんか?
私たちは茶農家なのですが、私たちなりに外国からのお客様をおもてなししたいと考えています。
富士山の麓で作ったお茶があるのですが、ぜひ一度、ご意見を聞かせていただけないでしょうか?
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と、お客様が今、興味を持っているコト =「外国人観光客のおもてなし」に、私たちの緑茶がチカラになれないか?ということを手紙で聞きました。
このような手紙を送ったところ、いくつかの旅館・ホテルからお返事がありました。
やはり、旅館・ホテルでも外国人観光客の対応を考えていたんですね。だからこそ、この手紙に興味を持って、私たちに会って下さったのです。
このように始まった関係は、“売り込み”とは違いますので、とても良好に進んでいくことが多いです。
「私のために向こうからやって来てくれた」、「一緒に成し遂げようとする仲間」と相手は思って下さいます。
あなたが扱っている食べ物・飲み物が“良いモノ”であるからこそ、そういう関係を築くことができるんですね。
コストもあまりかからない手法ですので、ぜひ試してみて下さい!
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
お客様に商品の“魅力”を伝えて、買っていただくために、
1) どんなコトをお客様に伝えるか?
2) 商品紹介文やキャッチコピーなど、どんな“言葉”で伝えるか?
3) どのような手段で伝えるか?
という内容について、私たちのノウハウの一部をお話させていただきました。
あなたの食べ物・飲み物をアピールするのにお役に立ちそうでしょうか?
私たち「ことのは塾」は、全国の企業様、店舗様、生産者様の
◆ もっと多くのお客様に喜んでもらえるような「商品紹介」をしたい
◆ 「高級な商品」ならではの魅力も知ってもらいたい
◆ 「ホームページ」や「ネットショップ」で魅力をもっと知らせたい
◆ 「展示会」で商談につながるような「チラシ」・「パンフレット」を作りたい
◆ 「SNS」での発信をより効果的にしていきたい
といったご要望を叶えるために、全国各地でセミナー講師を引き受けさせていただいております。
・ 秋田県農業法人協会 ~ 売れるモノ・サービスを創りだすためのテクニック (秋田県)
・ 中野市 売れる農業推進室 ~ 農産物等販路拡大支援講座 (長野県)
・ 長野県農業会議 ~ 農産物ブランディング講座 (長野県)
・ 中野市 売れる農業推進室 ~ 「展示会」対策 勉強会 (長野県)
・ 福井県農業会議 農業法人向け「米と野菜を売る」セミナー (福井県)
・ 宮城県農業会議 ~ 高くても売れる米・野菜は“伝え方” が違う!
・ 青森県農業会議 ~ 高くても売れる米・野菜は“伝え方” が違う!
・ 富山県農業会議 ~ 売れる農産物勉強会
・ 静岡県農林技術研究所 発酵茶研究会 ~ 静岡産紅茶のPR勉強会 (静岡県)
・ 静岡県志太榛原農林事務所 ~ 地域ブランドづくり勉強会 ~ 情報発信について (静岡県)
・ 全国農業新聞 ~ 販拡担当社員向けワークショップ (東京都)
◆ 食品メーカー / 販売会社向け 研修会
・ フジッコ株式会社 定期講習会 (兵庫県)
・ 株式会社 やずや 社員研修会 (福岡県)
・ 味の素KK 社員研修 「お客様に届くことば 研修会」 (東京都)
・ 株式会社ティーライフ 社員研修 (茶製品・製造販売静岡県)
皆様の組合やチームで「おいしさの上手な伝え方」を勉強したい、というニーズはございませんか?
「ことのは塾」にご依頼いただけましたら、
・ 全国各地の“上手な伝え方”の事例紹介
・ 各商品 / 作物 / 業種 に合わせた“伝え方”の紹介
・ 実際に書く / 見せ合うなどの実践ワークの時間
など、参加される皆様に喜んでいただけるような内容の講演 / 研修会を実施させていただきます。
ぜひ、こちらの「講演・セミナー」の紹介ページもご覧になってみて下さい。
◆『 自社の商品の「伝え方」を一緒に考えてもらいたい 』
--- 商品パッケージやチラシ・パンフレット、ホームページのリニューアルをしたい
--- 展示会で注目されるような“伝え方”を考えたい
--- これまでになかった“販路”を開拓したい
という方には、「個別相談」のサービスもご用意しております。
文字通り、企業・店舗・生産者様のためのオーダーメイド相談の時間です。
あなたの商品がもっと知られるようにするには何をしたら良いか?
もっと売れるようにするには、どんな商品紹介をしていったら良いか?
などを経験豊富なスタッフが一緒に考えます。
これまでご利用いただいた企業様、生産者様からは
「より多くのお客様にお届けできるようになった」
「より高級なモノを買ってもらえるになった」
「外国人などこれまでになかった客層にアプローチできるようになった」
などの“喜びの声”をいただいております。
良いモノを作っていらっしゃるあなたのような方にこそ、私たちの「魅力を伝えるノウハウ」を活用していただきたいと思います。
自社商品のアピールをお考えの方は、ぜひこちらのページもご覧になってみて下さい。
講演や個別相談に興味を持っていただけましたら、ぜひこちらのフォームからご連絡下さい。
「自社の商品でできるのか?」
「同じような商品のサポート経験はあるか?」
「◯月に総会を予定しているが、予定は空いているか?」
などのお問い合わせだけでも結構です。
あなたの商品の魅力をちゃんと伝えられるよう、私たちも一緒にがんばります!
☆ フォームが使えない時は、こちらのメールでも受け付けております。
◆ メール宛先 : next@kotonoha-juku.co.jp
※ メールに上記フォームの内容を記入しお送りください。