【 「無添加で安心なケーキです」では、伝わりません! 】
“安全”や”安心”のメッセージがあるお店、多くなってきましたね。あなたのお店でも”安心”、”安全”が特長という食品を扱っているのではないでしょうか?
でも、「安心です」、「安全です」というだけでは、もう他店との差別化は難しくなってきてしまいました。同じように”安全”、”安心”をウリにしたお店がたくさんあるからです。ネットショップにさえ、無添加を売りにした食品がたくさんある世の中です。
あるケーキ屋さんも同じような悩みを抱えていた一人でした。このケーキ屋さんでは、安全な素材だけを厳選して、体にやさしいものを提供しています。ケーキにも余計な添加物は入っていません。 でも、イマイチお客様の反応が良くなかったのです・・・。
このケーキ屋さんは「安全をアピールするメッセージ」をお店のチラシやPOPなど様々な所に書いてきました。しかし、それがどうもうまく伝わっていないようなのです。このお店が無添加にこだわっているということを知らないお客さんもいたくらいでした・・・。
『安全な素材にこだわり、ひとつひとつ手作りしたケーキです』
『保存料、添加物、香料は一切使用しておりません』
このような言葉、色々なお店で見かけますよね。
見慣れすぎているためか、お客様はそのメッセージを重く受け取ってはくれないのです・・・。
「安全です」、「安心です」といくら書いても、お客様はちゃんと受け取ってくれない・・・
同じようなことをアピールしているお店はたくさんある・・・
「無添加や安全な食材にこだわっているということをわかってもらえれば、もっとお店の商品の価値を認めてもらえると思うのですが・・・一体どうすれば良いでしょうか?」
そこでなぜ、無添加にこだわっているのかをご主人に聞いていたところ、こんな言葉が出てきたのです。
【 あの人のために・・・ ~ 安全・安心の裏には”想い”がありました 】
「ウチは子供がいるので、食べ物の保存料などには気を使っているんです。味も変わっちゃいますしね。手作りの本来のケーキを味わってほしいと思ったんです。小さな子供が毎日でも安心して食べられるお菓子で、保存料の余計な味がしない手作りのおやつがあったらいいんじゃないかと思ったのがキッカケです」
このご主人の言葉が、突破口を探すヒントとなりました。
チラシやPOPにはこれまで「安全です」、「安心です」という"決まり文句"だけしか載せていませんでした。しかし、その裏にはご主人の"想い"が隠れていたのです。
そこで、ちゃんとそれを文章で表現することにしたのです。
『お子様が毎日おやつに食べても安心な、無添加のケーキです。』
『ひとつひとつ手作りをしたケーキです。保存料は入っておりませんので、素材本来のやさしい風味がしっかり味わえます』
このような文句にしたところ、お客様からの反応が変わりました。
「無添加ケーキなら、子供のおやつにもいいわね。コンビニみたいなところのお菓子は心配で・・・」
「保存料が入ってないからここのケーキは風味がいいのねぇ。理由がわかったわ」
そんな声を聞くことができるようになったのです。
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同じケーキで、他にこんなアピールもしてみました。
『添加物などを使っていませんので、妊婦さんの体にやさしいケーキです』
このような”安心”、”安全”を伝えれば、ケーキが食べたい妊婦さんは、他のお店ではなくこのお店のケーキを選びたいと思うのではないでしょうか。
妊婦さんのいる家のご家族や、妊婦さんにおいしいケーキをお土産に持っていきたいという方にも「このお店のケーキだったら、安心だな」と思ってもらえますので、絶好のアピールとなりますよね!
【 安心です・・・だから? ~ 自問自答してみましょう! 】
うちの商品は、安全な食材を使っています・・・
うちの商品は、安心して食べられます・・・
そう言っただけでは、お客様にその"価値"がちゃんと伝わらないかも知れません。
そこで、
「安心です!」・・・「だから?」
「安全な素材を使っています!」・・・「それで?」
と自問してみましょう。
そうすれば、
「安心して食べられるから、○○にいいですよ!」
「安全な素材を使っているから、○○さんに食べさせて下さい」
と具体的なアピールを考えることができるようになります。
具体的なポイントを挙げてアピールができれば、お客様にしっかり”安心”、”安全”の意味を理解してもらうことができますよね。
「安心です」、「安全です」と言っただけでは伝わらないことがあります。
あなたのお店の商品は、”安全”だから何がいいのでしょうか?
“安心”して食べられるから、誰にどんな利点がありますか?
ぜひ、そのことを考えてみて下さい。そうすることで、あなたがなぜ安心な食べ物、安全な食べ物を作っているのかがお客様に伝わるようになります。その食べ物が誰のために作られ、どんな意味があるのかがお客様にわかってもらえるようになります。
そうすれば、ただ何となく「安全です」、「安心です」と”決まり文句”のように言っているだけのお店とは差別化ができるようになるはず。
ぜひ、あなたが考える”安心”、”安全”をアピールしてみて下さい!