「ご意見をお聞かせください」に、返事が来ない理由
「いつもキレイに使ってくれてありがとうございます」
そんな言葉が書かれていると、不思議と気分良く「自分もキレイに使おう」と思いますよね?
そんな風に『こうしてください』と言わなくても、なぜかそっちを選びたくなる。そんな、ことばや見せ方の小さな工夫(Nudge(ナッジ))を紹介していきます。

お店のアンケート用紙…
地域の催しの感想フォーム…
会社の意見箱…
「ご意見・ご要望をお聞かせください」と書いてあるのに、なかなか返事が来ない…。
「皆さん、特に困っていないのかな?」と思いたくなります。でも、本当にそうでしょうか。
■「何でもどうぞ」が、いちばん難しい?
「ご意見を自由にお書きください」って、
一見、親切なようでいて、実は答える側に、「考える仕事」をまるごと渡してしまっている言葉かもしれません。
何について? よかったこと? 困ったこと? 何文字くらい?
イチから考えるのは、意外とたいへんです(^_^;)
そこで、自由記述の前に、答えの入口になる小さな「質問」を置いてみましょう。
元の言い方:「ご意見・ご要望をお聞かせください」
工夫した言い方:「今日、いちばんよかったことを1つ教えてください」
元の言い方:「改善点があればご記入ください」
工夫した言い方:「次に来る時に変わっていたらうれしいことは何ですか?1つだけ教えてください」
こんな風にちょっと具体的に
「よかったことを思い出して」
「うれしい状態を想像してみて」
と言われると、
あたまの中にイメージが浮かんできやすいと言われています。
それを利用するんですね。
■ いろいろな現場で使える、質問の言い換え
① お店のアンケートなら
元の言い方:「商品のご感想をお書きください」
工夫した言い方:「使ってみて、最初に『いいな』と思ったのはどこですか?」
こう聞くと、何を書くか思い浮かべやすくなります。
この質問だけでなく「気になる点を書く質問」も別に用意すると、褒め言葉ばかり集める質問にもなりません。
② 福祉施設・相談窓口なら
元の言い方:「サービスについてご意見をお寄せください」
工夫した言い方:「利用する前に、わかりにくかったことはありましたか?」
サービスそのものだけでなく、案内や申込みで困った点にも気づけます。「特になし」も選べるようにしておきましょう。
③ 地域イベントなら
元の言い方:「イベントの感想をお願いします」
工夫した言い方:「今日の催しについて、誰かに話すとしたら何について話しますか?」
印象に残った場面を思い出すきっかけになります。あわせて「参加しづらかったところは?」と聞いてもよさそうですね。
④ 職場の意見箱なら
元の言い方:「職場改善のアイデアを募集します」
工夫した言い方:「毎日の仕事で『これが一手間だな』と感じることを1つ教えてください」
立派な改善案を考えてもらう前に、身近な困りごとを集める。解決策は、その後みんなで考えてもいいんです。
⑤ 図書館・公共施設なら
元の言い方:「施設へのご要望をご記入ください」
工夫した言い方:「館内で、初めて来た方が迷いそうな場所はありますか?」
利用者の目線で、具体的な場面を思い浮かべてもらう質問です。
■ 今日からできる、小さな一歩
いつものアンケートの「ご意見をお聞かせください」を、ひとつだけ具体的な質問に変えてみませんか?
たとえば、「今日、ちょっと困ったことはありましたか?」など。
意見が集まらないのは、意見がないからとは限りません。
答えへの入口が見えた時、相手の中にあった言葉が、ようやく出てくるのかもしれませんね(*^^*)

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