【 “食感”を表す、”擬音”を使おう! 】
大根と水菜に梅ドレッシングなどを和えたサラダ。
このサラダの名前、『大根と水菜のサラダ』ではなく、『大根と水菜のシャキシャキサラダ』と書かれているのをよく目にしませんか?
『大根と水菜のサラダ』と『大根と水菜のシャキシャキサラダ』・・・
これらの違いは、「シャキシャキ」という”食感”が描いてあるかどうかだけ。たったそれだけの違いなのに、”食感”が書いてある方が何だかおいしそうな感じがしませんか?
“おいしさ”を形作る要素は、なにも”味”や”香り”だけではありません。大根と水菜のサラダのように、その”食感”が非常に大切なメニューもあります。
ともすれば、”食感”は味や香りよりも記憶に残りやすいものだとも言われています。
「おいしそう」と思ってもらうためには、それを食べた時を想像してもらうのが一番。
“食感”を描くと、お客様はそれを食べた時の記憶を思い出しますので、より具体的に食べ物のイメージを想像してもらうことができるのです。そのため、『水菜のサラダ』よりも『シャキシャキ水菜のサラダ』の方がおいしそうに思えてくるというわけですね。
特に私たち日本人は「シャキシャキ」、「とろ~り」、「ほくほく」のような“食感”を表す「擬音」をたくさん持っています。
「新鮮で歯ごたえがよく、みずみずしい」と言葉を連ねなくても、『シャキシャキ』という言葉だけで何となく伝わってしまう・・・それが擬音を使うメリットです。
ふんわり食パン、サクサククロワッサン、カリカリフランスパン、もちもちベーグル、
とろ~りカマンベールチーズパン、パリふわカレーパン・・・
どうでしょう?どれも”食感”のイメージがわかるように思いませんか?
書き添えるだけでおいしさのイメージを何倍にもふくらませることのできる「食感を表す言葉」を使わない手はありません!
【 「商品名」&「紹介文」、”擬音”を入れてレベルアップ! 】
『シャキシャキ水菜サラダ』、『ふんわり食パン』のように、”食感”を表す言葉はよく「商品名」の中で使われています。
商品名の中に”食感”を表す言葉を入れておけば、いちいち商品の説明をしなくても何となくイメージをつかんでもらえますので、とても効果的。
あるピザ屋さんでは、ふんわりとしたパン生地のピザを「ふんわりピザ」、パリパリのクリスピー生地のピザを「パリパリピザ」とメニューに書いていました。
こう書いておけば、クリスピー生地というものがどんなものか知らないお年寄りやお子さんにもイメージしてもらいやすいですよね。
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“食感”を表す擬音を入れると良いのは、「商品名」だけではありません。
POPなどに載せる「商品紹介文」にも”食感”を書いておくと、お客様にイメージが伝わりやすいのでオススメです。
たとえば、スーパーに並べられている「おとうふ」は、様々な”食感”を持っています。しかしながら、店頭に並べられている時はパックに詰められているため、その”食感”がどうしても伝わりにくいもの・・・。そんな時、商品POPに
『流雲とうふ・・・スプーンで食べる”トロトロとうふ”。にがりで固めすぎていないから、豆本来の甘さがよくわかる豆腐です』
と”食感”が書かれていたらどうでしょう?
これならば、このおとうふの持つトロトロ感が伝わりますよね。
商品名がすでに決められているものであっても、このように「紹介文」の中で”食感”を表していけば、お客様にイメージをつかんでもらうことができます。
メニューブックの紹介文や、POP、店頭のカンバンなど、”食感”を表す言葉を書くところはたくさんあります。様々な場面で”食感”をお客様に伝えていきましょう!
【 対比させる、理由を書く・・・より良いイメージのためにこんな方法も 】
2つ以上の”食感”が同時に楽しめる食べ物の場合、その2つを対比させるように並べると面白い表現になります。
例えば、こんな感じ。
『 伊豆高原サラダ・・・「ぷりぷりエビ」と、「大きめサクサク自家製クルトン」のハーモニーがおいしいサラダです 』
「ぷりぷり」と「サクサク」という異なる2つの”食感”をあえて並べて書くことで、特徴的なこのサラダの”食感”をうまく伝えることができています。
よくクリームコロッケなどに使われる、『外はサクサク、中はとろ~り』という表現も、同じように対比をさせて、特徴をアピールしています。
異なる2つの”食感”を持つ食べ物ならば、ぜひその2つを並べて表現してみて下さい!
また、なぜその食感が生まれるのか?という説明を加えてあげると、より一層おいしそうなイメージが伝わりやすくなります。
『ホクホクのポテトサラダです』
と言うだけでも、その”食感”は伝わりますが、
『獲れたばかりの新じゃがを使っているので、ホクホクのポテトサラダに仕上がっています』
と”食感が生まれる理由”を併せて伝えた方が、より理解が深まりますね。
お客様は、あの「新じゃが特有のホクホク感」を想像しますから、よりおいしそうなイメージが広がってくるはずです。
商品名でも、紹介文でも、そこに”食感を表す擬音”が入っていることで、イメージはより具体的なものになってきます。イメージがより具体的になればなるほど、その”おいしさ”への期待感は高まってくるもの。”食感”に特徴がある食べ物なら、そこを十分にアピールしていきましょう!